小雨の夜
一番好きな天気は、小雨が降っている夜だ。
外に出ようと思えば出られるけど、できるなら家にいたいという感覚が根っからの自分と合っている。
こそこそ太陽に隠れる必要もなければ、雨水に外へ行くことを阻止されているわけでもない。ただそこにいるだけの、ちょうどいい天気。
夜、というのもまた重要だ。
これが昼や朝なんかであれば、雨にイライラした人の空気に飲み込まれちゃうからね。
仕事を終えて、外に行ってもいいし、帰ってもいいというこの自由さ、静けさ、大人になった今も感じる「夕焼けの後も外にいるもんね〜」というワクワク感。夜でなければこの感覚は味わえない。
今日は小雨の夜。最高の気分だ。
仲良しこよしの恋人同士なんかは、僕が今天気に感じているのと同じことを感じるのだろうか。
無理のない感覚が、心地いいといいうか。
ありのままでいられる感覚、無害な存在を通り越して、体の内側にのめり込んでくるようなこの感じ。
今は思う側でしかないけれど、思われる側ってどんな感じなんだろう。
小雨の夜に愛されたなら、自分はどんな気分になるんだろう。
......
想像してみたけれど、多分あんまり変わらないと思った!多分、ね。
だって、せっかくありのままでいられるって話だったのに何か変わるなんて思えないもん。
それでも変わってしまう、変えてしまうのが本物の魔性の女、男なのかもしれないわね。
うふん。何考えるか分からなくなったからこの辺で。
バイバイ!