思春期と倦怠期

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パラサイトの面白さを語る!(ネタバレあり)

こんにちは、小嶋瞭太です。

 

今回はパラサイトの感想をネタバレありで書いて行こうと思います。

 

なので、これからまだ観ていない人はぜったに観ないでください!もったいないです!!

 

 

 

 

 

 

 

では早速、書いていきます!

 

【パラサイトはなぜ面白かったのか】

 

いちばんの理由はこちらですね!!

可愛い!!!

観た人はわかると思うのですが、お金持ち家庭の娘役を演じていたチョンジソさんがすごく可愛かったです!!!異論は認めません!!!

この子はこの映画において、唯一といってもいいくらい純粋な心の持ち主でした。

大きな罪を犯すこともなく大きな罰を受けるわけでもなくただただ巻き込まれていく被害者でしたが、この立ち位置こそ実は私たちにいちばん近いものですよね。

それでいてルックスの可愛さもあったので目が離せませんでした。恋に落ちるのが早くて、チョロすぎるのもまた可愛いです。

 

と、これだけだとただの童貞の映画レビューになるので真面目な考察もしていきますね!

僕がこの映画で特に目を引いたのは3つでした。

 

1. わかりやすさの特化

2. 三幕ではなく、起承転結

3. ホラー映画のような長く続くストレス

 

【1. わかりやすさの特化】

これは特に脚本を勉強している方ならよくわかると思うのですが、パラサイトは結構王道パターンな手法が数多く使われているんですよね。それでいて観客が置いてけぼりにならないようい、強調するところは(いい意味で)やりすぎなくらいやっていて非常に分かり易かったです。気になったところを一覧で示すならば、

 

・OPとEDが対応している

・貧乏から富裕層へ行って帰ってくる、という物語の王道パターン

・置かれた状況から、きっかけがあって別の世界へといき、自分の意思で進んでいく話

・貧富の差をやりすぎなくらい強調して描かれいる。(上と下、日光の有無、臭い、家など)

・お金持ちの奥様のオーバーリアクション

 

などなどですね。この他にも、脚本について書かれた本の中でも有名な「SAVE THE CATの法則」を読まれている方なら、簡単にBS2に当てはめられることに気づくのではないでしょうか。

パラサイトは構成をはじめとして、1つ1つのシーンがわかりやすく味付けされていたので、笑いところでちゃんと笑えてハラハラするところでちゃんとハラハラできる面白い映画になったのではないかと思います。

(もちろん、わかりやすいところだけでなく、インディアンの比喩や、机の下に隠れることで上下関係を示すなど微妙なニュアンスでメッセージを伝えていたところもありますが、他の映画と比べても難易度が低飼ったので、ちょうどいい匂わせだったと感じています)

 

【2. 三幕ではなく、起承転結】

これは、アジア映画の特徴の1つなのかなという気がするのですが、パラサイトはめちゃめちゃ綺麗に起承転結にわけられる話なんですよね。

ネタバレありで分けるとこんな感じ。

 

起:貧乏に暮らしている中、お金持ちの家の家庭教師の仕事をもらう

承:家庭教師の仕事から徐々にその家が雇っている仕事をすべて奪って、貧乏家族の仕事にしてしまう

転:全乗っ取りに成功したのも束の間、元の家政婦が帰ってきて、お金持ち家庭の地下で夫を4年間住まわせていたことを暴露。混乱なか、元家政婦を殺害してしまう。その後大洪水によって貧乏家族の家は使えなくなり体育館に避難する。

結:次の日にお金持ち家庭の息子の誕生日パーティーに参加するが、地下に住んでいた元家政婦の夫が復讐として貧乏家族の息子を石で殴り、娘を刺し殺す。貧乏家族の父は自分たちだけ逃げようとしたお金持ちの主人に怒って殺し、現場と大混乱。最終的に父はお金持ちの家の地下でひっそりと暮らし、息子は脳に障害が残る。

 

と、こんな感じですね。かなり端折ったので、映画を見ていないとわからないと思いますが、わかりやすく分けられるということは伝わると思います。

 

中でもこの映画は転の部分が圧倒的に優れていて、観ていてゾッとしました。

転が優れている映画としては他にも「君の名は」や「20年目の告白」なんかが挙げられます。映画の中盤でガラリと展開が変わっていくこの構成はアジア映画の醍醐味ともいえるでしょう。

 

例えばバックトゥーザフューチャーなんかは三幕構成で面白い映画ですが、あれは最初から一貫して、「お母さんがお父さんに惚れるように仕向けつつ、元の時代に戻る」という目的に向かって走り続けています。

それに比べてパラサイトでは「富裕層の仕事をのっとる」という目的が一度は達成されてしまい、そのあとは自分たちの地位を守るために"転"げ落ちていき目的も展開もどんどん変わっていきます。

 

途中で展開をガラリと変えることで、今後の展開が全く予想できなくさせる起承転結な構成が、パラサイトの魅力の1つだといえます。

 

【3. ホラー映画のような長く続くストレス】

これはこの映画の最も大きな特徴だといっても過言ではないと思います。

 

普通の映画は、一度上手く行った後にどん底に落ちても、何かのきっかけで立ち直って三幕へと進んでいくものが多いんですよね。

「キューティー・ブロンド」も「アイ・フィール・プリティ」も「ET」もそうです。

一度はもうダメだ、となってもきっと主人公は立ち直っていくんです。映画とはそういうものなんです。

という、固定概念をこの映画はぶち壊していきました。

 

この映画は割と中盤の方でどん底に落ちます。しかし、どん底かと思っていたらまだまだそこがあり、どんどんどんどん下へ下へと絶望を重ねていく。お願いだから助かって!元気出して!と祈る時間があまりにも長い!

 

途中から息ができんくて、拳を握り締めながらじっと観ていました。

 

それでも、この映画が面白いと感じられたのには、先の展開を気にならせる転の素晴らしさと、じわじわと溜まっていく貧乏家族のお父さんの怒りに感情移入したことがあると思います。

 

映画をお客さんの感情を動かす装置として考えるならば、この映画はまさに感情を大きく揺さぶってくれます。見逃してはならない、見届けなくてはならないという気持ちにさせてもらい、冷や冷やして絶望して、笑いもします。

すっきりした気持ちにさせる映画ではないけれど、どの映画よりも感情を動かされる映画。それこそがパラサイトの魅力であり面白さなのではないでしょうか。

 

 

以上が、僕なりに見つけたパラサイトの魅力になります!

 

一言でまとめるならば、童貞はみんなチョンジソに夢中になる映画です。

 

それじゃ今日はこの辺で!バイバイ!!