プロローグ
自分が主人公の脚本を書くことになったら何を描くだろうか。
物語は変化だというから、その点、私は主人公に向いているだろう。なんてったって学ぶところが多いからね。
家事もできないしコミュ障だし、人間は好きだけど、臆病だ。
そして、猛烈にひねくれている。
この世の全てを否定しないと気が済まないんじゃないかというくらいひん曲がっている。
最近特に否定したくてたまらないのは「挑戦」という言葉。
少年よ大志を抱け。
挑戦を恐るな。ファーストペンギン、勇気の行動!
一度は憧れたし、大好きだった言葉たち。
でも、今ではそうは思わない。
なぜって?
挑戦にはペナルティがつきものだからさ。
そりゃあ、成功したらすごいよ。できっこなさそうなことを挑戦と呼ぶんだから、それをやり遂げんたんなら英雄さ。
でも、失敗したらどうだ。
失敗しても学びになる?失敗は成功のもと?そんな言葉糞食らえだ。
現実は...ああ、主語がでかいから訂正しよう。少なくともいくつかのコミュニティにおいては、失敗したら、「馬鹿にする材料」「見下してもいいという免罪符」「あいつはバカだという証拠」その他諸々を他人与える羽目になる。
まあ要は見下されて、めちゃくちゃ悪口を言われるペナルティがついてくるって話。事実に基づいたバカにされ方だからもちろん否定もできませーん。行動で見返すしかありませーん。はぁ、鬼畜。
これやっちゃうと二度目の挑戦はハードルが一気に跳ね上がるし、メンタルもやられる。
誰も自分の言葉に耳をかさなくなるからね。それどころかできっこないくせに騒ぎ立ててる迷惑なバカ扱いだ。
あ、ま、り、に、もリスクがでかいんだよ。挑戦ってやつは。
失敗しないなんてあり得ないから、ま、基本は孤独な戦いだね。
わかってるよ。スーパーポジティブな君ならそれを踏まえた上で攻略法を見つけていけよって思うんだろうけど、やる気も根気もありゃせんのだ。
だから挑戦なんて言葉を否定して放置。現実逃避。メンタルの冷凍保存。
ああ、そうさ、俺は負けイッヌ、
わかった上で敗北して、それなりに満足な生活を送るイッヌ。
さあこんな主人公だが、どうすればこの世界がぶっ壊れて、学びのある出来事を経験し、成長して帰ってこれると思う?
脚本家のあなたに問う。
これからどんな人生を書けばいい。どこへ行って何を求めていけばいい。
フィナーレはあるのか、今映画のどの辺?ミッドポイントすぎた?
ま、とりまおつかれってことで、乾杯。