犯罪がなくならない理由について説明します!
こんにちは、コジマです。
突然ですが、皆さんは、なんで犯罪がなくならないんだと思いますか?
(出典:平成29年度 犯罪白書)
上記の図は、日本の犯罪数をグラフ化したものです。
これを見ていくと、検挙件数がほぼ横ばいなのに対して、認知件数が上がったり下がったりしているのが分かります。
認知件数とは、犯罪が目撃者や被害者によって届出られて、警察が犯罪と認定した件数のことを言いますが、なんで認知件数が急に上がったり、下がったりしているんでしょうか?
言い換えるならば、なぜ犯罪が増えたり減ったりするんでしょうか?
平成12年あたりから上昇している理由としては、1999年に起こった「桶川ストーカー事件」について批判を受けた警察が相談体制を強化したからと指摘されています。また、平成9年からの緩やかん増加は1996年に「被害者要項」を制定したことで、性犯罪の増加が影響しているとも言われています。
以上のことから、犯罪は、「私たちがどのように捉えて問題化するのか」という認知側の存在も大きく関わってきていることが分かります。犯罪がなくならない理由の回答としては、私たちが犯罪を認知し続けているからということになりますね。
この現象に対して、社会学者のハワードベッカーさんは「ラベリング理論」というものを提唱しました。
ラベリングとはある行動を「社会規範に逸脱した行為である」とラベル(レッテル)を貼ることを言います。
つまり、これを犯せば逸脱だ!という規則を特定の人々に適用して、彼らにアウトサイダーとしてのラベルを貼ることによって逸脱を生み出しているという考え方です。
この理論の中でも、私が最も訴えたいのはラベリングは社会的マジョリティ(支配者層)が圧倒的に有利であるということです。
実際のデータを見ずに移民が犯罪を行うと信じられていることや、関東大震災で朝鮮人が殺されたことなどを考えると、大多数の人が社会的弱者に逸脱者のラベリングを貼ることがいかに容易であるか想像がつきます。そして、その逆は難しいこともわかるでしょう。
とても残酷なことだと思いますが、日常生活でもこの残酷なラベリングをよく目にします。
例えば美人な優等生のAさんと普段から口が悪く成績の悪いB君がいたとします。
A、Bは共に万引きという犯罪を犯しました。しかし、Aは若さゆえの過ちで誰にでもあると許されますが、Bはやっぱりお前はダメなやつだとして、ますます周りから孤立するようになります。
Aは多少、周りから何か思われることがあったとしても普段の素行の良さから、また元の生活に戻れるでしょう。しかし、Bは、やっぱりあいつはダメだから近寄らない方がいいとレッテルが強化されて孤立し、Aと同じ生活を送っていくことが困難になります。やがて、同じ不良と絡むしかできなくなり、逸脱行為が強化されていくでしょう。万引きから強盗へと逸脱行為も強化されるかもしれません。周りはますますBに対してはあいつは根っからの犯罪者だと決めつけるでしょう。Bには元から犯罪の素質があったんだと。
しかし、果たして本当にそう言い切れますか?
このように、普段から孤立している人とそうでない人とでは同じ逸脱行為に対しても評価が大きく異なります。
その評価を下す社会集団にどれだけこびを売っているか、見た目や肌の色に違いがないかということが重要になるわけです。
さらに、偏見というものは強化されていきます。
初めは「肌が黒いからなんか怖い。犯罪おかしそう」とか、「顔怖いから犯罪犯すんだろうなあ」みたいな根拠のない偏見だったのが、犯罪を犯した瞬間にやっぱりあの偏見はあっていたんだ、と偏見への信用が強化されていくんですよね。
そしてついには犯罪を犯していないが偏見の目に晒されることによって孤立していき、アウトサイダーとして関われなくなって、本当に犯罪に走ってしまい、また偏見の強化というループに陥る。
血液型占いを信じてるのも同じような理屈です。当たったという成功例だけが記憶に残り血液型占いはあたるという認知が強化されているのと同じ。偏見は強化されるものなんです。
端的に言ってクソですよね。
だから、皆さんには是非、周りから悪とかダメなやつだってラベリングされている人に対して改めて本当にそうなのかなって考えて欲しいなと思います。
B君が万引きした後に、「本当はあなたそんな子じゃないでしょ?」と優しく接してあげる人が一人でもいたならば、彼は強盗犯になることはなかったかもしれません。
もしできるなら、あらゆる人に「本当は優しい」という偏見を持って人と接して欲しいなと思います。偏見は強化されていくものですから。初めの一歩はマイノリティな考え方なので、社会的評価にまでは影響を及ぼせないかもしれませんが、それでも目の前にいる人は変わるかもしれません。
すごく疲れる生き方なので適度でも構いませんが、思考停止の偏見人間にならないようには気を付けていきたいですね。
犯罪者を作っているのはあなたかもしれませんよ。
参考文献